BATHINGお風呂
2017
05.05
水と人間 その2~『入浴福祉新聞 第4号』より~
『入浴福祉新聞 第4号』(昭和58(1983)年5月1日発行)より
過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。
発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。
水と人間 その2
立井 宗興
私たちが住んでいるこの地で、大きな天変地異が起きたとする。
そして、雨も降らず、川は汚染され、水道も井戸水も底をついてしまったらどうするか。
生命を維持させるには水がどうしても必要である。その時は、自分の尿を飲むことだ。
水道の水には、もともと無数の雑菌が含まれているが、尿は意外にも無菌であるといわれ、一番きれいで安全な水なのである。
むろん、平和な生活に慣れきった現代人が、いざ尿を飲むとなると、よほどの度胸が必要であろう。
未開の長寿国のひとつにエクアドルのビルカバンバがある。
「この地方の人々は、そこに流れる川の水を飲んでいるから長寿なのだ」との話は有名だ。
ついてはこの水を“長寿の秘水”として輸出しようと考えた人がいた。
ところが先日、日本の調査委員がその水を持ち帰って、科学的に分析したら、とても飲める水ではなく、たちまち下痢を起こすだろうとの結果が出た。
住めば都で、誰しも自分が生まれ育った地は良い場所であり、自分にとって良い食べ物と飲み水なのである。
濁った水でも、その土地の人々は病気もせず、元気に暮らしている。
しかし旅行者が、よその土地の水を飲むと腹痛をおこし、喉の渇きをいやすどころではない。
“水が合わない”わけだが、さてこれは何故なのか?
※発行当時の原稿のまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。
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